生活習慣を見直したものの、なかなか便秘が治らないと、病院に行こうかどうか迷ってしまう。そもそも、何科に行けば良いの…?病院に行くとなると戸惑うことも多いことでしょう。そこで第2回は、「病院へのかかり方」について伺いました。
- どういう症状を自覚したら、病院に行くことを考えたほうが良いのでしょうか?
- 便秘の症状には個人差があるので、一概には言えませんが、下記のような項目で困っていることがあれば、病院を受診することを考えてください。これ以外にも、便の色や太さが急に変わったり、血が混じる、体重が減ってしまった、など少しでも気になる症状がある場合は、一度、医師にご相談ください。
便秘のチェック項目
□お通じの回数が減ってしまった
□下腹部が痛い、いやな感じがする
□おなかが張って苦しい
□便が硬くて出ない
□いきまないと出ない
□出すまでに時間がかかる
□出すときに痛みがある
□トイレの後にすっきりしない
□トイレに行きたい感じにならない
□トイレにいっても出ない
- 近隣の病院と遠くの大きな病院のどちらに行く方が良いのでしょうか?
- まず基本的な診察(問診や触診、腹部X 線検査など)を受けて、より詳しい検査が必要なのかどうかを確認することが重要です。最初は通いやすいかかりつけ医や近隣の病院を受診し、より詳しい検査が必要になった場合、紹介状を持って専門病院や大学病院を受診するようにしてください。
- 病院は何科に行けば良いのでしょうか?
- おなかの病気を診る診療科には、消化器内科、消化器外科、一般内科、一般外科、胃腸科、肛門科などがあります。便秘の場合、消化器内科が多いと思われますが、病院によっても違うので、胃腸に関係のありそうな診療科を探して、お問い合わせください。
- 病院に行く前に用意するものはありますか?
- 病院で診察時に確認する内容は第3回で詳しくご説明しますが、初診の前に、最近の排便の様子を数日間分、メモしておくと良いでしょう。お通じの時刻や便の硬さ、色、形のほか、お通じの際に痛みや便が残っている感じがなかったかどうかを記録しておくことも大切です※。また、食事の回数や飲んだお薬についても控えておきましょう。
※便の様子は、下図のような絵を参考に記録してみましょう。
■正常便
1型:うさぎの糞のように硬くてコロコロした便
2型:ソーセージ状だが、固まりの多いでこぼこした便
■硬便
3型:表面にひび割れのあるソーセージ状の便
4型:なめらかで柔らかいソーセージ状、あるいは蛇のようなとぐろを巻く便
5型:やわらかい半分固形の便
■軟便
6型:やわらかく、ふわふわした泥状の便
7型:固まりのない水のような便
水分量は1型が最も少なく7型が最も多い
「便秘なんて」と思わずに相談を
「便秘で病院に行くなんて恥ずかしい」「便秘というだけで本当に病院に行って良いのだろうか」など、病院に行く前に悩みや不安をお持ちの方も多いことでしょう。確かに、最初は抵抗感があるかもしれません。しかし、便は腸の様子を外に知らせる大事なメッセンジャーともいえるのです。検査の結果、便秘以外の病気が隠れていることがわかることもあります。少しでも気になることがある場合は、医師に相談するようにしてください。