シリーズ2回目では、日本人は便秘をどのように思っているかについて紹介していきます。
日本人の約3割は自分が便秘と認識する
まず「自分が便秘である」と思うかについて尋ねた結果を、図1に示します。全体の28.4%の人たちが「自分が便秘である」と思っています。性別でみると、女性は37.5%、男性は19.1%と女性の方が多く、また、女性では若い人ほど「自分が便秘である」と思っている人が多くみられました。
便秘である 28.4%
便秘ではない 71.6%
調査人数:5,155 名(男性 2,542 名、女性 2,613 名)
図1. 自分が便秘と思うか?1)
便秘は様々な症状から構成される
つぎに、便秘とはどのような症状からなると思うかについて尋ねた結果を、図2に示します。
主なものは「薬なしで排便できない状態」、「排便頻度の減少」、「排便困難」、「硬便」であり、どの症状もほぼ同じくらいの割合の人たちがあげていました。
つまり便秘は、一つの症状、たとえば「排便頻度の減少」だけからなるものではなく、様々な症状が組み合わさって便秘であると認識されていることが推測できます。
薬なしで排便できない状態 70.7%
排便頻度の減少 68.8%
排便困難 68.5%
硬便 58.3%
複数回答 調査人数:5,155 名(男性 2,542 名、女性 2,613 名)
1)より作図
図2. 便秘を構成する症状
しかしながら「便秘症が病気である」と思っている人たちは全体の約半数(48.8%)にとどまりました(図3)。
病気である 48.8%
病気ではない 51.2%
複数回答 調査人数:5,155 名(男性 2,542 名、女性 2,613 名)
1)より作図
図3. 便秘症は病気であると思うか?
調査結果から、様々な「症状」が組み合わさって便秘であると認識されているにも関わらず、便秘症そのものは病気ではないと考えている人が約半数いることがわかりました。ですが、便秘症は医学ではれっきとした「病気」です。便秘の症状で悩んでいる場合は、一度、私たち専門の医師のもとを訪れてみるのもよいでしょう。
- 参考・引用文献
- 1) Reprinted from J Neurogastroenterol Motil 2016;22(4):677-685. with permission
- 調査の概要
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調査機関:株式会社マクロミル
調査対象:20~79歳の日本人集団
調査方法:2014年8月に15,000例を対象にインターネット調査を行い、回答が得られた5,155例(男性2,542例、女性2,613例)を分析した。調査は、日本内科学会とRome IIIの診断基準にしたがって独自の質問票を作成し行った。年齢層・性別の解析は、日本の人口統計を反映させて行った。