慢性便秘症
過敏性腸症候群
機能性胃腸症

解便新書

その3 適切に便秘に対処する

本シリーズの最後では、日本人がどのように便秘に対処しているかについて明らかにしましょう。

便秘への対処

多くの日本人は、日常生活の改善で対処している

に、便秘になった場合にとる対処について尋ねた結果を示します。一番多くみられた回答は「水分摂取」でした。そのほか、「睡眠」、「食事」など日常生活の改善で対処している人たちが多いことがうかがえます。
しかし、病院を受診している人たちは、わずか4.7%でした。より詳しく調べてみると、そのように答えた人たちの多くは高齢者でした。おそらく他の疾患で病院を受診していて、ついでに便秘についても相談していると推測されます。

調査人数:5,155 名(男性 2,542 名、女性 2,613 名)

図. 便秘への対処方法1)

注意が必要な便秘の徴候

危ない便秘を見逃さないために

もちろん、普段の生活習慣を見直すことで、便秘が改善するのであればそれで構わないと思います。ですが、なかには気をつけなければならない便秘もあります。一覧に示したような、血便や体重減少といった徴候がある便秘の場合には、大腸がんなど命にかかわる疾患がひそんでいる可能性もありますので、すぐに医師のもとを訪れるようにしていただきたいと思います。

病院を受診すべき 便秘の徴候

  • 便の形が細くなる
  • 血便
  • 貧血
  • 50歳以上である
  • 急に便秘になった
  • 体重減少

Lindberg G, et al. J Clin Gastroenterol. 45(6): 483-487, 2011. より一部改変

解便への道標

便秘はさまざまな研究で、私たちの「生活の質」を低下させることがわかっています2,3)。しかしながら、便秘は誰にでも起き、ごくありふれたものであるがゆえに、軽くとらえがちです。
たかが便秘と思わずに、正しい知識のもとで適切に便秘に対処していきたいものです。
食事や運動などの生活改善を試みても、便秘がよくならない場合には、一度、私たち医師に相談していただくことも快便(解便)への近道かもしれません。

2)Wald A, et al. Aliment Pharmacol Ther. 26(2): 227-236, 2007.
3)Sun SX, et al. Dig Dis Sci. 56(9): 2688-2695, 2011.

参考・引用文献
1) Reprinted from J Neurogastroenterol Motil 2016;22(4):677-685. with permission
調査の概要
調査機関:株式会社マクロミル
調査対象:20~79歳の日本人集団
調査方法:2014年8月に15,000例を対象にインターネット調査を行い、回答が得られた5,155例(男性2,542例、女性2,613例)を分析した。調査は、日本内科学会とRome IIIの診断基準にしたがって独自の質問票を作成し行った。年齢層・性別の解析は、日本の人口統計を反映させて行った。